原作小説は読んでいませんが、豊川悦司さんが大好きなので気になってDVDを購入し、見ました。

主人公・村尾菊治の裁判を中心に、村尾とその恋人であった入江冬香の回想と、検事の織部美雪の、現在進行系の自分の恋愛が語られます。

美雪は初め、村尾に意地が悪いともとれるような発言を繰り返し、二人の関係を糾弾していきますが、裁判が進んでいくにつれ、自分自身の不倫相手である上司の稲葉喜重に、「私だって…」と迫ります。

まるで、村尾と冬香の恋愛に重ねるように…

初めに見た時は、正直豊川悦司さん目当てだったので、『あ〜やっぱりかっこよかった、色っぽかった、素敵!』だったのですが、もう一度きちんとストーリーを見るために最初から見てみて、ラストシーンで泣いてしまうほど感動しました。

ストーリーそのものはベタといえばベタな不倫ストーリーなのですが、それだけにストーリーの奇抜さに気を取られることなく、純粋に登場人物の感情の部分にだけ感情移入して見ることができました。

しとやかな少女のような感性を持ったまま、いわば蕾のまま大人になり、家庭を持ってしまった冬香が、村尾と出会い、少しずつその「女」の部分が花開いていく様子が、最初は仕草にも表情にも色気も華やかさもなかった彼女が、だんだんと艶やかな表情を見せるようになり、ついに「殺して」「いくじなし」と叫ぶようになっていくことで伝わってきました。

しかし、寺島しのぶさんの演技はおそらくストーリーに忠実すぎたのでしょう。その抑えた演技は逆に検事役の長谷川京子演じる織部美雪の大胆さと対照的で、それゆえに私は主人公側の「秘め事」というひそやかさが際立っていると感じましたが、インターネット上では彼女の演技はわかりにくいという意見が散見されました。

ストーリーの奇抜さ、意外さ、また、セックスシーンのみを求める人には、正直全く面白くないと思います。しかし、ある種不倫の王道ストーリー、感情描写の緻密さ、日常と重なってくるようなリアルさを求めるのであれば、非常に面白い作品であると私は思いました。

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