とにかく高倉健さんの圧倒的な存在感に目を奪われる昭和の名作。

健さんは刑務所から刑期を終えた役どころなのですが、佇まいに絶妙に影があり、演技とはわかっていながら、もしかしたら本当に健さん自体にそんな過去があるのかもと思わせる力が。深みのある演技に引き込まれました。

そんな少し画面に重さが感じられるところに、武田鉄矢さんが若者らしい軽薄さのある役を演じているんですが、思い健さんの雰囲気と相反した、お笑い部分を担当することで、陰陽のバランスが上手にとれていて、観る側も楽になりました。

健さんと偶然出会って、一緒に旅をすることになる若者役に、武田鉄矢さん、桃井かおりさん。要所要所で、健さんを引き止めたり、説得したり。桃井さんが若い女性ならではの役どころで、純粋に気持ちを表現したり、聞きにくいことを質問したりすることで、話が自然に進み、大切なキーマンになっていました。

山田洋次監督作品ということもあり、渥美清さん、賠償千恵子さんなど、寅さんシリーズの名役者達が出て来るのも楽しみの1つ。

またもう1つ楽しみなのが、若者達に

時々悟すような健さんの深みのある台詞。とにかく桃井かおりさんと肉体関係を結びたいだけの、若者らしい武田鉄矢さんに向けて、女性を大切にすることの大切さを説く健さん。説教がましくなく重みがあって、思わず忘れかけていた基本的なこと、大切なことを思い出させてくれました。

あらすじは、健さんの過去回想と、若者達と車で移動しながら、かつての妻との約束を確かめに行く…というシンプルなもの。

映画は昭和58年制作。古き良き日本の美しい風景や、その時代を知らなくてもどこか懐かしさを感じられる作品。

最後は、じんわりとホッとする心にしみる作品です。

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